令和3年度事業計画
【はじめに】
昨年は新型コロナウィルス感染症対策として政府や都道府県・市町村が国民生活を守るため、補助金・給付金等の様々な政策がとられ、我々行政書士も無料相談や申請補助等を通じて貢献して参りましたが、依然として新型コロナウィルス感染症は国民生活に重くのしかかっております。このような中、本会では今後も新型コロナウィルス感染症拡大により疲弊した国民生活の復興に取り組んでいく必要があると考えております。そのような状況下ではありますが、「街の身近な法律家」として、「国民の利便に資し、国民の権利利益の実現に資すること」を常に考えながら、以下のとおり事業を推進してまいります。
① 早期に取り組むべき事業
- (1)法改正への対応について
-
行政書士法改正による「会員への注意勧告」や「社員が一人の行政書士法人」の設立許容について、会則及び諸規則を整備します。また、昨年度と同様に、民法・入管法・会社法・著作権法・消費者契約法の改正についても引き続き対応を進めます。
- (2)新たな業務分野への対応について
-
丁種封印、自動車登録OSS、法定相続情報証明制度、遺言書保管制度などの新設業務に加え、昨年よりコロナ対策関連の各種補助金・助成金・給付金等の申請業務も多岐に亘っております。これらについて情報収集に努め、スピーディなメール配信や研修会の開催を通じて会員の皆様へ迅速なフィードバックを心がけるとともに、会員の資質向上に努め、広く県民への周知を図り、行政書士制度の活用を促す広報活動に務めます
- (3)所有者不明土地問題、空き家問題への対応について
-
昨年度は愛媛県がコロナ対策に注力したためか、愛媛県主催の「空き家対策ネットワーク会議」の開催はありませんでしたが、再開に備えて県との情報共有を密に行い、所有者の所在確認、空き家利用に関連する各種許認可・届出、補助の利用等について行政書士を積極的に利活用するよう働きかけを行います。
- (4)各種のコロナ対策事業支援について
-
新年度も様々なコロナ対策の事業が各関係機関より打ち出されることを見越して、行政書士としてできる限りの支援が行えるよう対策を講じます。
- (5)行政書士会館及び事務局に関する対応について
-
コロナ禍におけるリモート会議、リモート研修への対策を進め、事務所や自宅から参加出来る環境を整備するとともに、電子決裁の導入、来館者の感染予防対策の強化等、コロナ対策を意識した事務局の職場環境整備に務めます。
② 継続的に取り組むべき事業
- (1) 行政書士制度の広報活動
-
より多くの県民に行政書士を「街の身近な法律家」として認知していただくため、法改正情報などをいち早く取り入れるなどしながら、様々な媒体を利用した積極的な広報活動を推進してまいります。
- (2) 非行政書士対策の強化
-
広報月間等に実施した調査等により、名義貸しを含む非行政書士による申請を疑う事例、本人申請を装ったものと思われる事例が相当数あるものと思われます。これらを看過することは国民の権利保護に資さないものであるばかりか、許認可行政にも悪影響を与えるものであり、ひいては行政書士制度の根幹をゆるがしかねないものでもあるため、常に警鐘を鳴らし続ける必要があります。
本会では、名義貸しを含む非行政書士行為を排除するため、行政窓口との連携を深め、情報交換を行うと共に行政書士制度に対しての理解を深めてもらい、積極的な排除活動を推進します。また、非行政書士行為を反復継続していると認められる悪質な個人又は団体に対しては、積極的な証拠収集活動を行った上での刑事告発も視野に入れた断固たる対応をとります。
- (3) 各種研修会の充実
-
会員の資質向上のため、法令と実務に精通し、高い倫理観を持った行政書士像を確立するため、法改正などにもいち早く対応しつつ、要点を押さえた効率の良い体系的な研修を実施してまいります。
- (4) 無料相談会の拡充
-
無料相談センターでの無料相談、松山市社会福祉協議会との連携による無料相談、各支部による無料相談会の拡充・支援をより一層図り、県民の行政書士に対するニーズに応えてまいります。
- (5) コスモス成年後見サポートセンター愛媛県支部との連携について
-
関連団体であるコスモス成年後見サポートセンター愛媛県支部と連携しながら、後見人(コスモス会員)の養成に力を入れると共に、行政書士の後見人としての活用促進のため、家庭裁判所、各市町の担当窓口、社会福祉協議会、地域包括支援センター、医療機関など関係各所に対して積極的にアピールしてまいります。
- (6) 本会組織の再構築
-
新年度より、横の繋がりを重視した組織の再編を行い、現在の業務組織を6つの部から4つの部に再編いたしました。また、部長会を廃止し、正副会長会を設置して、より機動力を増した組織運営を図るとともに、支部長会の開催回数を増やして、支部との連携を強化し、地域毎の問題をいち早く把握してより効果的な対応を取って参ります。また、支部の在り方などを真剣に考え、より一層の組織力強化に繋げてまいりたいと考えています。
- (7) 大規模災害対策
-
全国各地で甚大な被害をもたらす自然災害が多発しており、将来の発生が確実視されている南海トラフ地震だけではなく、様々な災害に対応すべく、いざというときのために、会館の大規模修繕に対する準備、被災した会員に対する支援のための準備を進めてまいります。また、被災した県民に対し、各自治体や日本行政書士会連合会、あるいは四国地方協議会と連携しながらスムーズな支援が行えるよう平素から準備を進めてまいります。
③ 各部の事業計画
- 【総務部】
-
- (1) 行政書士業務資料の作成及び配布
- 本会発送文書の原則メール化による通信コストの削減を図ります。
- (2) 行政書士登録業務
- 新規登録者に対し、本会への入会手続及び行政書士業務資料等の配布・説明のため、登録面接を行います。また、会員登録の変更や退会手続に際し、必要に応じて会員との連絡調整を行います。
- (3) 無料相談センター等の運営
- 本会無料相談センター及び松山市社会福祉協議会(権利擁護センター)での予約申込制による無料相談を行います。また、支部が企画運営する無料相談会に対し、支援を行います。
- (4) 行政書士試験事務への対応
- 令和3年度の行政書士試験の実施に当たり、(一財)行政書士試験研究センターとの連絡調整及び実施協力を行います。なお具体的な実施は、行政書士試験管理委員会で行います。
- (5) 行政書士会館・事務局の管理運営
- 行政書士会館の維持管理及び事務局の運営管理に関して必要な検討、調整、対応を行います。
- (6) 一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター愛媛県支部の支援
- コスモスえひめからの要請により、会議スペースの提供や、会員への連絡案内など必要な支援を行います。
- (7) 職務上請求書のチェック
- 職務上請求書に関して、適正に使用されているかどうかの確認作業を実施し、必要な指導連絡を行います。
- (8) 予算及び決算に関する事務
- 各部からの予算概算請求書に基づき、予算案の調整、査定を行います。
会計処理に基づき決算書の作成を行います。 - (9) 会計事務の処理
- 毎月の収支報告、残高試算表及び証拠書類の点検業務を行います。
- (10) 会費等の徴収事務
- 年2回、会費引落月前に失念防止のため会員への連絡周知を行います。
- (11) 会費滞納者への対応
- 短期会費滞納者に対して、長期化を防ぐため、納入督促及び催告を行います。また、長期会費滞納者に対して規則に則った対応を行います。
- 【広報業務部】
-
- (1) 行政書士制度広報月間活動
-
- 広報月間における活動推進及び各支部・会員への協力依頼
広報月間準備期間及び広報月間における活動について協力依頼を行います。 - 各支部活動(無料相談会等)への支援(支部活動助成金・会場使用料支援等)
広報月間中に行う無料相談会での活動助成及び会場使用料の支援を行います。 - 電話無料相談実施
10月1日に会館の無料相談センターにて電話無料相談を行います。 - 新聞・タウン誌等PR広告掲載
無料相談会の日程等を愛媛新聞、タウン誌などへ広告の出稿を行います。 - 各支部無料相談会実施状況視察
コロナ禍において厳しい状況ではありますが、可能な限り会場視察を行い各支部の活動状況の記録を行います。
- 広報月間における活動推進及び各支部・会員への協力依頼
- (2) 各種広報活動
-
- えひめ・まつやま産業祭り(11月)、お仕事フェスタ(3月)出展
- ホームページ保守運営・レンタルサーバー運用・掲載・内容修正作業
ホームページ更新の人員を配置し、記事の掲載、修正、サーバーの管理を行います。 - 新聞及びタウン誌等へ広告等の出稿
各種イベント告知、その他広告の出稿、デザインデータの作製を行います。 - PR配布物(イベント配布物、チラシ等)作成
広報月間及び各種イベントで使用する配付物等のデザイン作製、発注および起案を行います。 - 各支部 広報活動支援
各支部における無料相談会、イベント参加へのPR配布物提供、広報部員の派遣等を行います。 - 広報部員 各種外部広報活動
各種イベントへの参加、メディア対応、プレスリリースの発行およびプレス対応を行います。
- (3) 会報「行政書士えひめ」発行(8月末発送,12月末発送 年2回各650部)
- 会報の原稿依頼、編集作業、印刷会社との折衝を行います。
- (4) 「会の動き」発行(毎月末 年12回)
- 毎月末に会の動きを発行し会議その他の様子をおつたえします。
- (5) 平成30年豪雨の記録の保存
- 平成30年豪雨の記録編纂及び公開
平成30年豪雨の記録を災害発生時よりグループ補助金一次審査窓口業務までの記録を編纂し会員の皆様にいつでも閲覧できるよう公開します。 - (6) 外国人業務についての支援体制
- 特定技能1号、2号、在留資格に関する調査及び研究、研修部との協力体制による研修会を実施します。また、外部研修会へ参加しその内容を記録として残します。
- (7) 官公署への渉外業務
- 愛媛県本庁、土木事務所、保健所、農業委員会への渉外
コロナ禍において訪問が厳しい状況ではありますが、可能な限り愛媛県本庁へ訪問を行うと共に、土木事務所、保健所、農業委員会、地方入管等へ訪問し記名押印の徹底と確認について申し入れを継続的に行います。 - (8) 終活支援に関する行政書士業務拡大
-
- 社会福祉協議会とサロンへの参入
各地で行われているサロンへ講師派遣を行うと共に縁ディングノートを活用し終活に関する業務拡大を図ります。 - 終活の講演会等への講師派遣、開催
社会福祉協議会、青色申告会、倫理法人会等とタイアップし終活イベント、講演等を行います。会場を、社協と協力することで低予算で実施可能となります。 - その他
コスモス成年後見サポートセンターとの連携による行政書士業務の拡大を図ります。具体的には、縁ディングノートを活用し遺言・相続・成年後見など終活全般に関する業務の拡充及びPR、包括支援センターなどとの連携を行います。
- 社会福祉協議会とサロンへの参入
- 【法規監察部】
-
- (1) 監察事案の調査及び検討
- 監察事案について、調査を行い必要な指導等を行うとともに対策を講じます。
- (2) 苦情申出に関する対応
- 苦情の申出を受けて、事実の有無等に関して聞取りを行い、必要があれば指導等を行います。
- (3) 非行政書士の排除活動と職域確保
- 広報月間中に官公署を訪問し非行政書士の指導について協力要請を行い、立札設置の確認を行う等非行政書士の排除に努めます。
- (4) 行政書士の品位保持に関する指導
- 会員への指導文書の配布等、品位保持の徹底に努めます。
- (5) 会則・規則等の制定及び改廃手続
- 規則の制定改廃手続を迅速に行います。
- (6) 規則集の原稿作成
- 新規規則の登載及び改廃規則の整理を行い、会員が利用しやすいものにすることに努めます。
- (7) 暴力団排除対策協議会の庶務
- 定例会の開催並びに愛媛県警察本部及び愛媛県暴力追放推進センターとの情報交換を行い、暴力団等の排除に努めます。
- (8) 諸法規の調査研究及び指導
- 業際問題の研究と確定した結果につき会員への周知指導を行います。
- 【研修部】
-
- (1) 地域開催及びオンライン形態を含む研修会の運営・管理
- 令和3年度も例年同様、会員の資質向上につながる研修を幅広いテーマで行います。具体的には、建設、会社・法人、土地関係、車両関係研修、相続・遺言関係研修を主として研修の回数を少しでも増やすととともに、外国人関係業務に関する研修などの発展した内容の研修も検討し、実施をしていきます。
今年度の東予・南予地域での研修会開催については、新型コロナウィルスの感染状況を踏まえた上で判断するとともに、研修全体において、オンライン形態の活用を視野に入れた検討を行います。 - (2) 特定行政書士法定研修及び考査への実施協力
- 特定行政書士法定研修及び考査については、研修部が担当となり実施協力を進めます。今年度は、法定研修について日行連のビデオオンデマンド方式での実施がアナウンスされるなど変則的な実施が予想されますので、今後の情報を踏まえて対応していきます。
- (3) 研修の動画配信システムの運営・管理
- 現在運用している研修動画配信に関しても、講師の協力を仰ぎながら配信動画数を増やすなどの充実を図ってまいります。
- (4) 倫理研修の実施
- 本年度も継続して倫理研修を実施いたします。東予及び南予での開催については、新型コロナウィルス感染状況を踏まえて判断します。
- また、研修内容のさらなる充実、及び会員の受講義務履行のための各種対応についても鋭意検討し、実施をしていきます。
- 【申請取次行政書士管理委員会】
-
- 申請取次行政書士の資格審査
- 【封印管理委員会】
-
- 丁種封印の受託及び丁種会員の管理・指導に関すること
- 【行政書士試験管理委員会】
-
- 行政書士国家試験事務の管理
- 【防災委員会】
-
- 防災体制の構築に関すること